書評:新装版第三物理の散歩道、ロゲルギスト著、岩波書店

1966年9月1刷発行、2010年1月新装版第三物理の散歩道1刷発行は全5編から構成される。7人の物理学者が対談、身近な物理現象を数式を最小限にして解説してある。

 続編(第二)の1例として、飛行機の翼に作用する揚力について、教科書ではベルヌーイの定理を用いて説明しているがそれでは説明できない場合があり翼の上下面を通過する空気が斜め後方下に流れその反作用で翼は空気から斜め前方上に力を受けその上方向の成分が揚力となることを説明している。第三編の1例として、ヨットが風上にも進めることを帆に作用する揚力から説明、また飛行機に対して超音速で流れてきた気流は、翼の後退角が45度、60度の場合、各々翼に直角方向に流れる空気の速度は飛行機に対する相対速度×0.71、×0.5倍になることを説明している。

 本書全5編は、大学生・大学院生(理系・文系)、研究者、技術者、社会人にお奨めする名著である。